株式会社 たち吉 様
左から木下様、岡田様
社名 : | 株式会社 たち吉 |
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創業 : | 宝暦2年(1752年) |
設立 : | 昭和24年5月24日 |
代表者 : | 代表取締役 岡田高幸 |
従業員数 : | 335名(平成25年3月現在) |
所在地 : | 京都市下京区四条富小路上ル立売東町17番地 |
事業内容 : | 創作和洋陶磁器・美術名工作品・ガラス器・金属食器・漆器・竹製品・室内外装飾関連品・別製企画品・全国各企業、銀行等企画商品・創作別製品 |
代表取締役社長 岡田 高幸氏
宝暦2年(1752年)創業の株式会社たち吉は、京都・東京・札幌・仙台・名古屋・博多の拠点をベースとして、百貨店を中心に全国170店舗以上を展開。ショッピングモールやアウトレットモールにも積極的に出店し、京都の伝統と四季を大切にしながら「現代に生きる器」を提供し続けている。
創業より260余年経過し、従業員数300名以上を数える同社は、交通費・経費の精算業務や、稟議・報告書類の提出回覧業務について、セキュリティ管理、リスク管理面に注視しつつ、業務改善を目指してきた。
まず『承認Time』を導入し、次いで交通費・経費精算システムの『経費Bank』を導入した同社。社内にITを積極的に取り入れようと自ら働きかけた代表取締役社長の岡田氏と、クラウド化を常々検討していたという 情報システム担当の木下氏に、『承認Time』導入に至る経緯を伺った。
課題
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導入後
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情報システム担当 木下 朗氏
「稟議書などは、基本的に印刷会社へ発注したカーボン複写の社内書式を在庫し、使用していました。」という岡田氏。パソコンが普及するに連れ、部分的にWordやExcelを使ったスタイルへと移行していったという。
「パソコン端末が1人1台あるわけではないので、社内運用を統一してはいませんでした。パソコンができる者は自分でフォーマットを作って使用し、また以前のようにカーボン複写紙を使用している者もいました。」と導入前の状況を振り返る。
また岡田氏は続けて「退職者や、組織変更が発生する際、過去の稟議書や報告書などが現任の担当者にうまく引き継がれない事案が発生していました。」と言う。それ以外に書類の管理面でも問題意識があった。「退職等で使用しなくなったデスクを整理すると、過去の書類が保管してあるのを見つけたりと、管理面でも紙ベースでは限界を感じていました。」
木下氏もこのように続けた。「運用面にも問題を感じていました。」稟議書以外に、営業部門は営業関係報告書、物流部門は物流関係報告書という部門ごとの報告書があったという。しかし「たとえば『この案件は稟議、この案件は部内で処理、これは課内で処理』という承認ルートや、保管・差戻しといったルールがはっきり決まっていない場合もあり、運用が曖昧になっていました。」と当時の状況を語った。
こういった運用や管理面の問題が積み重なり、同社では承認ルートの整備・データの管理体制構築が急務となっていた。そこで岡田氏は社内書類のペーパーレス化にも繋がるクラウド型でのシステム化を目指し「諸々の問題を解決できる『承認Time』の導入を検討することになったんです。」
クラウド型でのシステム導入を決断した岡田代表の意思を受けて、木下氏は本格的に情報収集をスタートさせた。検討する際に、前述の運用・管理面の問題を解決できることに加えて重視したのが、システムの保守運用・セキュリティ面だったという。「『経費Bank』と同時に『承認Time』というクラウド型の稟議回覧システムがあると知り、すぐに導入の検討を開始しました。」という木下氏に、選定のポイントを伺ってみた。
「たち吉は全国に店舗があります。その規模に対して、少人数のシステム担当で管理することができて、ネートワーク構築やメンテナンスにも負担がかからないクラウド型というのが一つのポイントでした。」また「セキュリティ面も重要でした。使い勝手の良いシステムでもセキュリティを確保できなければ意味がありませんからね。その点『承認Time』は問題なくクリアしていました。」と語った。
その他、自動的にバージョンアップし、新たな機能が追加されていくという、クラウド型ならではのメリットも導入理由になったという。「他のシステムとも比較し社内で検討を重ねた結果、コスト面・機能面ですべての要求を満たしている『承認Time』を選びました。」
同社では、先にクラウド型経費精算システム『経費Bank』の導入を進めていたが、『承認Time』導入を優先させることにした。「ちょうどその頃、会計システムのリプレイスを検討していたので、それに合わせて『経費Bank』導入を進めていましたが、『承認Time』の話を聞いて、書式もルートも簡単にセッティングできるので、これなら会計システムの導入準備中に、先に導入できると思いました。」と語る岡田氏と木下氏。
「稟議などの書類を作成するのは主に営業部門でした。」システムに切り替わるということで、最初は従業員が難色を示すのでないかと懸念していたが、それほど抵抗はなかったという。「入力・申請も簡単だし、頻繁に使うのですぐに慣れることができたんだと思います。」
さらに続けて「その他のシステムと違って、『承認Time』は部分的に運用スタートができるので、まずはいくつかの書式で開始して、慣れてきたら他の書式を追加していけばいいというのが便利でした。」同社では最初から多数の書式を作成すると、承認ルートの整備などに時間がかかってしまったり、あとで実務に応じて書式やルートを修正する必要が出てしまうかもしれないという懸念があったという。
このように、導入する部門や書式の数などを絞り込んだ状態でスタートしたことが、短期間での導入を可能にしたという。「アドバイスいただいたとおり、段階的に書式を追加していくことでスムーズに運用することができています。また、サポートもこのような運用についての相談を受けてくれるので、安心感を持って進めることができました。」と導入時のサポート面についても評価した。
お二人に導入効果について伺ってみると「設定した承認ルートに沿って進み、保管されるので『承認者に届かない』といった不手際は一切起こりません。曖昧だった承認ルートがしっかりと定められ、捺印が必要な書類かどうかはもちろんのこと、差戻しやそれらの履歴も全部分かりますからね。紙のときに発生していた諸々の問題は全部クリアしています。」との感想だ。
木下氏は導入前によく見かけた具体例をあげて「上司に『あれどうなった?』と言われた部下が、時間をかけて書類を探したり、何枚もコピーして持ってくるとか、そういうのは無くなりましたね。」と感想を語った。
「保存場所が明確になり、書類が誰かの机の中に眠っている、といったことも起こらなくなりました。今はフリーワードで検索すればすぐにお目当ての書類を見つけることができます。」と書類の保管機能についても評価した。
最後に今後の展望についてお二人に伺った。まず、現在の運用状況について木下氏は「最初は1つの書類グループから始まり、今では大きく分けて7グループの書類を運用しています。準備中のものは3グループあり、いま稼動に向けて調整している最中です。」とクラウド化を継続中だ。
続けて岡田氏は「現在、紙やメール等で運用しているものを順次クラウドに乗せていきます。最終的には社内の決裁を全てシステムで確認できるようにしたいですね。」と語る。
最後にお二人はこのように今後の展望を述べた。「業務のIT化・クラウド化を目指して『承認Time』と『経費Bank』を両方とも導入しました。最終的にはこの2つのシステムをしっかり連携させて、さらなる業務改革を目指していきたいと思います。」