
業務報告
業務報告は、業務の進捗や課題を共有するために必要不可欠です。しかし、それ以外にも業務報告にはさまざまな目的があり、工夫次第で人材の成長ツールにもなります。
今回は、業務報告の目的について詳しく紹介するとともに、人材育成につながる業務報告の書き方なども解説します。業務報告がマンネリ化している、または部下からの報告内容が分かりづらいなどの悩みを抱えている場合には、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、なぜ業務報告を行う必要があるのでしょうか。業務報告が果たす役割について3つのポイントにまとめて紹介します。
プロジェクトの進行状況や営業予算の達成状況など、あらゆる仕事の進捗確認を行うために業務報告は必要です。日々の業務報告がなされていないと、営業締日やプロジェクトの納期が間近に迫ったタイミングなどで状況を把握することになり、軌道修正をする時間が確保できません。
適切なタイミングでスケジュールの調整や人的リソースの追加、タスクの割当などを見直すためにも、業務報告によって逐一進捗を確認することが求められます。
思うような結果が出せなかったり、進捗がなかなか進まなかったりといった場合には、何らかの課題を抱えている場合も多いものです。担当者が課題を認識していれば上司に対して相談が来ることもありますが、課題を認識できていない場合には上司からフォローする必要があります。
日々の業務報告によって、部下が抱えている課題をいち早く認識でき、それに対する有効なフォローや対策が講じられることでしょう。
業務報告に対してフォローやアドバイスを行うことは、プロジェクトや業務を滞りなく遂行することにつながるだけでなく、部下の成長を促すことにもつながります。
部下は課題を解決するための方法を知ることで、さまざまな困難にぶつかったときに過去のフィードバックの内容を思い出したり、応用したりすることによって自分自身での解決もできるでしょう。
毎日業務報告を記入しているからといって、必ずしも部下の成長につながるとは限りません。業務報告の作成にあたっては、記載すべき項目と内容を定義したうえで、日々の振り返りができるようにすることが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
その日に取り組んだ業務内容と成果 | 取り組んだ業務内容と、それに対する成果の詳細を記入します。業務内容は誰が見ても客観的に把握できるよう、5W1Hに沿って記入します。 |
業務内容・成果に対する所感 | 何が要因で成果を達成できたか、またはできなかったか、担当者の考えを記入します。次回以降クリアすべき課題もあれば所感として記入します。 |
次回に取り組む予定の業務 | 所感を踏まえ、次回以降に何に取り組むべきか記入します。 |
連絡・相談事項 | 上司に対して報告すべき内容や相談したいことがあれば記入します。 |
業務報告に記入する内容には、事実と担当者の考えや解釈があります。これらが混在していると、報告を受け取った上司は内容が把握しづらく、適切なフィードバックがしづらくなってしまいます。
そのため、部下に対しては事実と解釈を明確に分けて記載してもらう必要があります。例えば、上記で挙げた項目では、「その日に取り組んだ業務内容と成果」には事実を「業務内容・成果に対する所感」には解釈を記入してもらうなど、ルール化しておくと良いでしょう。
一文一義とは、「1つの文章で示す内容は1つに絞る」という意味です。具体例を交えながら紹介しましょう。
「特別キャッシュバックの販促を行ったものの、競合店舗がイベントを実施していたことも影響し、販売目標には届かなかったが、次週は自店舗で大規模なイベントを実施する予定のため、A店およびB店からも応援スタッフを集め10件の成約を目指す。」 |
上記の文章には、「販売目標に届かなかった」という意味の文章と、「次週にイベントを実施する予定」および「応援スタッフを集める」など複数の要素が混在しています。これを一文一義のルールの下で書き直すと、以下のような文章に分けられます。
「特別キャッシュバックの販促キャンペーンを実施した。しかし、競合店舗のイベントが影響し販売目標には届かなかった。今週の後れを取り戻すため、次週は自店舗で大規模なイベントを実施する予定。それに合わせて、A店およびB店からも応援スタッフを招集する。イベント予算として10件の成約を目指す。」 |
上記のように、一文を短く区切ることによって読みやすい文章になります。
業務報告の内容について説得力を持たせるためには、具体的な数字や固有名詞を使用することも重要です。例えば、上記で紹介した文章の中では、競合店舗のイベントがどの程度の規模だったのかが把握できません。そのため、「応援スタッフ10名が増員されたイベント」など数字を織り交ぜることで、イベント規模を正確に把握できます。
部下に対して分かりやすい業務報告を作成してもらうためには、上記で紹介した3つのポイント以外にも、フレームワークを活用する方法があります。今回は業務報告に役立つ3つのフレームワークを紹介します。
YWTとは、「やったこと」「分かったこと」「次にやること」を整理し記入するフレームワークです。
上記のポイントで例に挙げた文章をYWTに当てはめてみると、以下のように分けられます。
YWTは、仕事内容の「振り返り」に重きを置いています。毎日の業務から分かったことを分析し、次にやることを明記。自分自身で考えをまとめるうちに自律性が高まることも、YWTの特長です。
KPTは、「Keep」「Problem」「Try」の3つを整理し記入するフレームワークで、具体的には以下のように分類します。
例えば、上記で例に挙げた「特別キャッシュバックの販促キャンペーン」を次回のイベントに活かすために、以下のようにKPTを活用します。
KPTは、継続すること(Keep)と問題があること(Problem)を分けて記入し業務が抱えている問題を細かく分類。その結果から次のアクションを決める方法です。つい業務で失敗したことや改善することに注目してしまいがちですが、KPTではうまくいったことや継続したいことにも目を向けるため、現状を正しく認識したうえで次のアクションに移ることができます。
PDCAは、「Plan」「Do」「Check」「Action」の4つの頭文字をとったフレームワークです。
PDCAはActionの段階に達したからといって終了ではなく、さらなる改善と向上に向けて一連のサイクルを繰り返すことが重要です。
業務報告の申請や承認は、毎日・毎週のように行われる定常業務のため、できるだけ無駄を省き効率化することが重要です。また、業務報告にばかり時間をとられていると、本来の業務に割く時間が少なくなり、十分な成果が見込めなくなる可能性もあるでしょう。
そのような問題を解消するためにおすすめしたいのが、ワークフローシステムの『承認TIME』です。
『承認TIME』はクラウド型ワークフローシステムのため、時間や場所を問わずインターネット環境さえあればWebから申請や承認ができます。業務報告のためにわざわざオフィスへ出社する必要がなく、外回りや出張先で簡単に業務報告を申請・承認できます。
企業や組織によって業務報告のフォーマットや書式が決まっているケースもあるでしょう。そのような場合でも、『承認TIME』であれば従来のフォーマットや書式をそのままワークフローシステムへ移行できるため、業務報告の運用が変わり困る心配もありません。
業務報告書をFAXで送信したり、書類を手渡しで提出したりするとファイリングなどの管理が煩雑化します。また、ExcelやWordといったファイルをメールに添付すると、パソコンでファイルを管理する手間もかかるでしょう。
『承認TIME』であれば、クラウドでデータを保存できるため、従来のような業務報告書の管理に悩む心配がありません。
業務報告はただ単に内容を記入すれば良いというものではなく、目的を持って記入することで自身やチームの成長につなげられる重要な業務といえます。
『承認TIME』は業務報告以外にも、会社におけるさまざまな申請・承認プロセスを効率化できるクラウド型ワークフローシステムです。従来の報告書や申請書類のフォーマットをそのまま移行できるほか、あらかじめ書類形式に沿ったテンプレートを設定しておくことで、確認作業の時間を減らすことができます。
簡単に報告書を作成し社内回覧が可能になりますので、ぜひ一度『承認TIME』の導入をご検討ください。