【チェックリスト付き】導入前に読んでおきたい電子申請対応システムの選び方

【チェックリスト付き】導入前に読んでおきたい電子申請対応システムの選び方

2020年4月から、大企業を対象に社会保険に関する届出業務を電子申請システムで行うことが義務化されました。2021年8月時点では大企業のみが対象ですが、今後は電子申請の利用を促進する流れは加速し、いずれは中小企業も電子申請義務化の対象になる可能性も高いといえます。

ですが、電子申請をはじめとするワークフローの整備ができていないという企業の方や、どんな電子申請対応システムを自社で導入したらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

この記事では、電子申請義務化とは何かと、電子申請対応システムの選び方を解説していきます。電子申請システムの導入を検討しているものの、どのシステムを選んだらいいのかわからないという方はぜひ読んでみてくださいね。

電子申請システムとは

電子申請システムとは

電子申請システムとは、インターネットを利用して行政への手続きを可能にするシステムのことです。これまで書類を作成し、行政機関の窓口に出向いて行っていた手続きが、会社や自宅のパソコンなど、いつでもどこからでも行えるようになります。

電子申請を利用するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 夜間・休日問わずいつでも手続きが可能
  • 自宅やオフィスなどどこでも手続きが可能
  • 入力チェック機能やオンラインヘルプ機能により、記入ミスの防止になる
  • 移動時間や窓口での待ち時間がないため、時間的コストの節約ができる
  • 書類の紛失などのリスクが減り、セキュリティの向上が図れる

2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化

そもそも、なぜ電子申請システムが利用されるようになったのでしょうか。その背景には、2018年3月に改定された厚生労働省の『「行政手続コスト」削減のための基本計画』があります。同文書において、特定の法人に対して2020年4月1日から電子申請を義務化する方針が発表されました。その後2019年3月8日には、大法人等に対する雇用保険・労働保険等の一部届出・申請・申告書の電子申請義務化を定めた厚生労働省令が公布され、大企業の電子申請義務化が法律で定められたのです。

ここでの「特定の法人」とは、以下の4つを指します。

  1. 資本金、出資金または銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
  2. 相互会社
  3. 投資法人
  4. 特定目的会社

この方針は政府全体で手続きに要する事業者の作業コストを削減することを目的としたもので、今後は上記以外の中小企業にも義務化が広がることが予想されます。

これまでもCD-Rなどの電子媒体を利用した提出を含めた義務化は行われていましたが、今回の厚生労働省令に見られる「書面以外であればOK」という内容から電子システムを利用した申請のみが認められる内容へと変わったことが注意すべきポイントです。

現在の法律では、電気通信回線の故障や災害のような正当な理由がなく電子申請義務化に違反した場合であっても罰則は定められていません。二度手間による非効率が発生したり手続きの遅れで社内へ不便をかけたりしないように電子申請への対応を検討する必要があるでしょう。

義務化の対象となる手続き一覧

今回の厚生労働省令によって義務化の対象となる手続きは、以下のとおりです。

社会保険の種類 届出等の種類
健康保険
  • 被保険者賞与支払届
  • 被保険者報酬月額算定基礎届
  • 健康保険被保険者報酬月額変更届
  • 厚生年金被保険者報酬月額変更届
  • 70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届(厚生年金保険のみ)
労働保険
  • 継続事業(一括有期事業を含む。)を行う事業主が提出する以下の申告書
  • 年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書)
  • 増加概算保険料申告書
雇用保険
  • 被保険者資格取得届
  • 被保険者資格喪失届
  • 被保険者転勤届
  • ⾼年齢雇用継続給付支給申請
  • 育児休業給付支給申請

これらの手続きは2020年4月以降に開始される事業年度から義務化が適用され、社会保険労務士や社会保険労務士法人が手続きを行う場合も対象となります。

【チェックリスト】電子申請対応システムの選びのポイント3つ

電子申請の手続きは、政府が提供しているインターネット上の窓口となる「e-Gov(イーガブ)」から行えるほか、近年は民間企業が開発したAPI対応の労務管理システムなどからも電子申請が行えるようになりました。そこで、電子申請対応システムを選ぶ際にチェックしたいポイントを解説します。

【チェックリスト】電子申請対応システムの選びのポイント3つ

1. 社内の情報管理ルールは見直しているか

社会保険の電子申請では社員と付随する扶養者のマイナンバーが必要となります。これらは非常に重要な個人情報であるため、社外漏洩を防がなくてはなりません。

また、申請を効率化するには、情報が必要になったタイミングですぐに辿り着ける状態を保つことが不可欠です。そのため、情報管理が明瞭であるとともに、外敵を遮断し保護することを両立できるルールに見直し、それに合ったシステムを導入する必要があるのです。

ルールを見直すときには、以下のようなポイントを確認するようにしましょう。

アクセス制御

特に情報を取り扱う部門が人事部、経理部、総務部など複数ある場合は、それぞれの利用場面を明確にするとともに、「それ以外の用途ではアクセスしない」というルールを設けることが必要です。具体的にはアクセス権限を細分化できるシステムを利用し、不必要なアクセスがされない環境を作りましょう。

必要な情報がすぐに見つかるか

全社員の情報を管理していると、扱う情報量膨大になります。申請の際に「管理している情報が多すぎて、必要な情報にすぐにアクセスできない」という状況に陥らないよう、検索やフォルダ分け、タグ分類の機能性が高いシステムを利用しましょう。

廃棄ルールが決められているか

情報漏洩を防ぐためにも、不要となったマイナンバー関連書類は決して復元できないようにしなければなりません。あらかじめ「電子ファイルごと破壊する」「データ削除専用ソフトによる消去を行う」などの社内で統一したルールを定めておきましょう。

2. 既存システムと連携できるシステムかどうか

企業によっては、すでに専用システムを活用して情報を管理している場合も多いのではないでしょうか。そのデータをスムーズに引き継ぐには、既存システムとの併用ができるシステムを導入することが重要です。移行に不必要なコストを割かないためにも、e-Govだけでなく社内の既存システムと連携できるシステムを導入し、ストレスなくデータを引き継げるようにしましょう。

3. ヘルプデスク(担当者)を準備しているか

日々の業務の中では、「ネットワークが繋がらない」「パソコンが動かない」「システムに不具合がある」などのトラブルが発生することは避けられません。

社員からの問い合わせに迅速に対応し、スピーディーに解決をするためにも可能であれば「ヘルプデスク」を社内に準備しましょう。

「ヘルプデスク」の業務は、
  • 社内におけるネットワーク環境の整備
  • システムの整備
  • ソフトウェアのインストール
  • サーバーの設置や設営
  • 問い合わせやトラブルの対処
  • 新規導入のための調査やコストの調整
など多岐にわたります。

これらに対応するために、パソコンやネットワークに関する管理やサーバーの管理に対して専門知識を持ち、冷静に問題解決をできる人材をアサインし、緊急時に対応できる環境を構築しましょう。

【社内のワークフロー整備も】『承認TIME』で業務の効率化を実現

【社内のワークフロー整備も】『承認TIME』で業務の効率化を実現

社会保険の電子申請義務化に伴い、デジタルでの情報管理や電子申請対応システムの導入が不可欠な状況になりつつあります。そこで、行政への電子申請のみに対応するのではなく、社内のワークフローそのものも電子化することで業務全体の効率化を図ることができます。

そこでおすすめなのが、社内文書の電子化を実現できるワークフローシステム『承認TIME』です。

入力項目を自由に設定できるため、既存書類をスムーズに電子化

そのため、いままで紙媒体で利用していた文書の書式をもとに書類を設定できるため、項目を大幅に変更することなく、スムーズに電子化へ移行できます。また、設定方法もラジオボタンや選択リスト、四則演算など豊富な項目が用意されており、それをマウス操作で組み合わせるだけで完成するため、操作も簡単です。

社内ネットワークで利用する前提のオンプレミス型とは異なり、クラウド型のシステムには高度なセキュリティ対策が求められるため、少しでも対策が甘いと情報漏えいにつながる危険性があります。

AND承認・OR承認など複雑な承認ルートにも対応可能

『承認TIME』 では、「OR承認」や「AND承認」などを使って、承認ルートを柔軟に設定できます。また、承認ルートのどの担当者で書類が止まっているかがシステムで把握できるため、承認や確認状況を可視化して管理することができます。紙の申請書にありがちな「なかなか承認決裁がおりない……」といった課題を解決し、社内業務のスピード化を後押しします。

初期費用0円。かつクラウド型のため、運用コストを抑えられる

『承認TIME』 は、初期費用がかからず、サーバー保守やメンテナンス費用も必要ないため、コストを抑えて導入をすることができます。承認TIMEは、30日間の無料トライアルも実施できるため、ぜひ一度、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

現在は資本金1億円以上の大企業が電子申請義務化の対象ですが、今後は中小企業にも義務化が広がることが予想されます。迅速に義務化に対応できるよう、いまから電子申請対応システムの導入や社内の情報管理を電子化することを検討しておくと良いでしょう。

また、電子申請への対応や社内のワークフローを整備することは、コロナ禍でのリモートワークや働き方改革の推進にも必要不可欠です。ワークフローシステム『承認TIME』を導入することで、いつでもどこからでも申請・承認が可能となり、業務効率の改善を実現することができます。ぜひこの機会に導入をご検討ください。