ワークフローシステム
【解説】ワークフロー管理で気をつけたいこと3選。システム導入で失敗しないために
市場にはさまざまなワークフロー管理システムが存在します。
しかし、その中から自社に合ったシステムを導入するにはどのようなポイントを確認すべきか分からないのではないでしょうか。
そこで、この記事では、ワークフロー管理の概要とワークフロー管理システム選びで気をつけたいポイントについて説明します。ぜひ、システム導入の参考にしてくださいね。
ワークフロー管理とは
ワークフロー管理とは、業務効率を高めるためにワークフローをシステムで管理することです。でははじめに、そもそもワークフローとは何か?について解説します。
ワークフローとは
ワークフローとは「業務の一連の流れ」です。
発注業務であれば、「職員からの購買申請→上長の承認→総務担当者による発注」という流れがあったり、金額が大きければ「見積りを取得→見積りを添付して購買申請→上長の確認→部長の承認→総務担当者による発注」のように、内容によって異なる対応が定められているのではないでしょうか。
このようなルールにしたがって手続きを進める流れを図式化したものが「ワークフロー」と呼ばれています。
紙とデジタルでの違い
ワークフローを紙を起点に運用する場合とシステムを用いて運用する場合の違いを解説します。ここでは稟議書の申請・承認を例に見ていきます。
まず紙での運用は、稟議書の印刷から始めます。社内のフォーマットをもとに印刷を行います。ここでは費用として用紙代、インク代、そしてプリンターのレンタルコストが発生します。またオフィスのコピー機の数によっては、印刷までの待ち時間もあるでしょう。
そして印刷後は、提出先の上長へ書類を手渡しで届ける必要があります。そのほか複数人による承認が必要な場合は書類が誰の手元にあるのかを把握しておく必要があります。また、申請まで次の作業に進めず、待機する必要もあります。
このように、間接的なものを含めると、かなりのコストが申請から承認まで発生してしまいます。
それに対し、システムで稟議書の申請・承認をする場合は、印刷コストや申請までの待機時間もなく、承認までの進捗状況もシステムで確認できるため、リモートワークや複数拠点の企業にも対応できます。発生するコストもシステム利用料や人件費など、必要最低限におさえることが可能です。
ワークフロー管理システムとは
こうしたシステム管理に特化したシステムをワークフロー管理システムと呼びます。ここからはワークフロー管理システムの機能やメリット、デメリット、導入のポイントについて説明します。
ワークフロー管理システムの主な機能
ワークフロー管理システムの主な機能は次のとおりです。
- 申請書作成機能
- 承認者設定機能
- AND・OR承認機能
- 飛び越し承認機能
- 差し戻し機能
- 文書複写機能
- 稟議フローの設定機能
- 閲覧権限設定機能
ワークフロー管理システムには、このような従来のワークフローを効率的に実行するために必要な機能が揃っています。これらの機能を駆使し、自社にあったワークフローをシステムで再現が可能です。
ワークフロー管理システムのメリット、デメリット
次に、ワークフロー管理システムのメリット・デメリットを解説します。
ワークフロー管理システムのメリットとは
ワークフロー管理システムを導入する最大のメリットは「業務効率化」と「コスト削減」です。
パソコンやスマートフォンから申請や承認が行えるため、外回りや出張中でも会社に戻る必要がなく、その場で対応可能です。これまでは会社に出社しなければ対応できず、意思決定までの時間が長くなってしまった場合でも、即座に承認・決裁が進められるため、業務効率化の実現につながります。
コストの面でも、文書を紙として保管する必要がないため、印刷にかかる費用の削減が可能です。また、申請書の履歴情報をシステムで確認できるため、どのような変更がいつ、誰によって行われたかを容易に把握でき、進捗状況の確認など、書類の管理コストの削減にもつながります。
ワークフロー管理システムのデメリットとは
ワークフロー管理システムにメリットがある一方で、デメリットも存在します。システムを導入するデメリットは、適切に運用できない場合は、却って業務効率の低下につながってしまう恐れがあるということです。
例えば、現状のワークフローをシステムで実行するには、ワークフローがシステムで再現できるかを検討する必要があります。正しく設定できなければ意図しないフローで書類が進むことになり、現場に混乱が生じます。
ワークフロー管理システム導入までの流れ
上記のようなデメリットを防ぐため、ワークフロー管理システムを導入する際は4つのステップに沿って進めます。
ステップ1.社内状況の調査
まずは社内にどのようなワークフローがあり、どの程度運用されているのかといった社内状況の調査を実施します。この際、現場での課題点や、一連のワークフローにかかる時間などを整理します。また、ワークフロー管理システムの導入によりどのような効果を期待するかといった現場の声も整理しておくと良いでしょう。
ステップ2.調査を分析し、ワークフローを再構築
調査結果をもとに既存のワークフローの見直しを実施します。今まで慣習で行っていたものがあれば、その必要性を改めて協議し、不要な場合は削るなどの対応を取ります。
また、承認者が複数いる場合や、拠点間のやりとりが必要など、複雑なワークフローについては、より簡潔なものに変更できないかを検討します。
このようにワークフローの再構築を図るだけでも業務効率を向上できます。
ステップ3.ワークフロー管理システム導入の検討
ステップ2でワークフローを再構築した後は、実際に導入するシステムの検討を行います。その場合、飛び越し承認を可能とする、AND・OR承認の設定ができる、閲覧権限を簡単に設定できる、といった再構築したワークフローを実行するために必要な機能が標準搭載されているかが1つのポイントになります。そうした基準をもとに、システムの比較検討を行います。
ステップ4.部門への試験導入から、全社導入へ
導入するワークフロー管理システムが決定したら試験導入を実施します。最初から全社導入すると混乱が大きく、運用部門への問い合わせが集中するおそれがあります。
また、導入初期は想定していなかった不具合が多く出るタイミングです。せっかく導入したものの不具合が多くては、実際の業務へ影響を及ぼします。
そのため、まずは部門への試験導入を行い、導入による効果を確かめてから、全社への導入拡大を検討します。
ワークフロー管理システム選びで気をつけたいこと
ワークフロー管理システムは業務効率化に貢献するシステムです。
しかし、基準が曖昧なまま選んでしまうと業務効率化に結びつくどころか、使われなくなってしまう可能性があります。
そこで、ワークフロー管理システム選びで事前に気をつけたいことを3つ紹介します。
1.導入前にワークフローの再設計をしているか?
ワークフローの再設計をせずにシステムを導入したために、既存のワークフローが複雑で、導入したシステムではそのワークフローを実現できない可能性があります。
紙での運用はフローが曖昧・複雑でも人が考えて対処が可能ですが、システムで運用する場合は、明確にワークフローを定義する必要があります。そのため、あらかじめ既存のワークフローを図式化し、どの部分に課題があるのかを再検討し、シンプルなワークフローを再設計しましょう。
2.システムは問題なく使用できるか?
ワークフロー管理システムは管理部門だけでなく、営業部門やほかの部署も多く使用します。そのため、比較的操作がしやすいシステムや、わかりやすいUIのシステムを検討しましょう。
可能であれば導入決定前にトライアルの利用やベンダーとの打ち合わせ時に使用させてもらうなどして、システムの操作性を確認しておくことをおすすめします。
3.既存システムとの連携は問題ないか?
システムによっては購買管理システムや会計システムなど、既存システムと連携ができるものもあります。例えば、弊社が展開する「承認TIME」は経費精算システムの「経費BANK」との連携が可能です。稟議で申請した内容を「経費BANK」で精算できるため、業務の効率化につながります。
もし既存システムとの連携が必要な場合はカスタマイズでの対応が必要なため、あらかじめ既存システムとの連携の是非を検討しておきましょう。
ワークフロー管理システム「承認TIME」とは
承認TIMEは稟議・捺印申請をはじめとした企業で使うあらゆる社内文書をWeb上で申請・承認できるクラウド型のワークフローシステムです。クラウド型のため自社でサーバを設置する必要がなく、比較的低コスト・短期間で導入できることがメリットです。
また、サーバのバージョンアップや保守メンテナンスが必要ないため、業務の負担を軽減します。
24時間365日体制での厳重なセキュリティ、高度な耐震・免震設備・大規模停電にも安全な自家発電システムにて稼働しており、セキュリティ環境も安心です。
稟議・申請・報告書の提出をデジタル化
承認TIMEはパソコン・スマートフォン・タブレットに対応しており、社内でも外出先からでも稟議・申請・報告書の提出・承認が可能です。
自宅から稟議書の申請・承認ができるため、リモートワークで出社できない状況でも、出社時と同じスピードで仕事が行えます。
1ヶ月のトライアルが可能
承認TIMEは契約前に1ヶ月間のトライアルが利用可能です。
実際の運用を想定して作業環境を構築するため、導入後の運用をイメージしながら、使いやすさや課題解決に結びつくかどうかを確認できます。
事前にトライアルを実施しておくことによって、「思っていたような活用ができなかった」「導入後に現場が混乱してしまった」という状況を未然に防ぎます。
まとめ
会社ごとにワークフローが違えば、対応するツールもさまざまです。とはいえ、ワークフローの管理にデジタル化は欠かせません。
だからこそ、担当者が自社の状況を正しく理解し、適切なツールを選べるようになることが重要です。
『承認TIME』は1ヶ月間の無料トライアルを提供しているため、まずは試しに使ってみてはいかがでしょうか。