稟議
稟議メールはどう書く?例文と、事前に確認しておきたいチェックリストも
メールは、ビジネスパーソンにとって切っても切り離せない存在です。チャットが普及しているいまも、社内外の連絡でメールを書く機会が多いのではないでしょうか。
しかしビジネスメールには書き方のルールやマナーがあり、書きにくいと感じている方も多くいることでしょう。特に稟議や報告といった上司への連絡の際は、不自然な文章になっていないか、伝え漏れている内容はないか、といった不安で作成が進まない経験をした人も少なくないはず。
そこでこの記事では、稟議メールを書くにあたって抑えておきたいポイントをご紹介します。例文をもとに解説しますので、実務で使うことを意識しながら読んでいただけるとより理解が深まるでしょう。
稟議とは
そもそも稟議(りんぎ)とは、会社や官公庁で自分の権限だけでは決定できない事項について、その内容を書類化して上司や他部署の責任者に回覧させ、承認を得る手続きのことを指します。また、その際に使われる書類を「稟議書(りんぎしょ)」と呼びます。
稟議を使用する場面
稟議で必要になるのは、次のような場面です。
- 新規取引の契約
- パソコンなどの備品購入
- システム導入の起案
- エアコンなど社内設備の修理
- 求人広告など広告宣伝費の申請
- 出張申請
「契約」「購買」などの動きがある場面で稟議が発生しやすいですが、会社によって稟議が必要なケースが異なっているため、事前に確認をしておきましょう。
書面とメールの違い
従来の稟議は紙による提出がほとんどのため、稟議書を提出してから関係各所に承認をもらい、手元に戻って来るまでに膨大な時間と工数が発生していました。例えば、本社と営業所の所在地がそれぞれ別の場合、関係各所へ書類を郵送・持参したり、上司がハンコを自宅に忘れていたりする場合、通常よりも承認に多くの時間がかかってしまいます。
また、書面でのやり取りには印刷代・インク代・郵送費などの費用がかかります。
これらの理由から現在は、メールでの稟議や、ワークフローシステムによる電子決裁・承認が一般化しつつあります。電子決裁はネットワーク環境さえあれば、違う所在地であってもパソコンやスマートフォンから文書へアクセスできるため、承認のプロセスにかかる時間を圧縮することができます。
稟議メールの例文
稟議メールは送る内容や目的によって書き方が変わってきます。ここでは稟議の内容ごとに例文を紹介します。この例文をもとにカスタマイズして、ぜひ実際の稟議申請にご活用ください。
備品購入時の稟議メール文面サンプル
件名:備品購入申請書 〇〇部長 ◇◇部の□□です。 |
講座受講申請の稟議メール文面サンプル
件名:講座受講申請書 〇〇部長 ◇◇部の□□です。 |
稟議書類や見積書を添付する場合のメール文面サンプル
件名:稟議申請の件 〇〇部長 ◇◇部の□□です。 |
5つのチェック項目で確認!稟議メールの書き方
ここまで稟議についてや稟議メールの例文をご紹介しました。しかし稟議が必要なケースやメールフォーマットは会社ごとに異なるため、事前に確認しないままメール文章を書いてしまうと、書き直しが必要になったりメールのやり取りが想定以上に多くなったりして、承認に多くの時間を使ってしまいます。
効率的に稟議を承認してもらうために、以下の5つのチェック項目を使って稟議メールを書いていくことをおすすめします。
①稟議メールに書くべき項目を記載できているか?
稟議を承認してもらうには、承認する関係者に稟議の目的や背景を正しく伝えることが不可欠です。具体的には、メールを作成する前に以下の項目を確認しましょう。
- 稟議で決裁・承認してほしい内容は何か
- 稟議を出す目的は何か
- 稟議にかかる金額はどのくらいか
- 稟議が承認された場合のメリット、デメリットは何か
特に、稟議が承認された際のメリット、デメリットは事前に確認をしましょう。例えば、あるシステムを導入するにあたって「◯%コストダウンができる」というメリットがある一方で、「システム操作のための説明会を開く必要がある」というデメリットがあるとします。メールを作成する前にこうしたメリット、デメリットを頭に入れておくことで、稟議の目的が明確になり、ロジカルでわかりやすい内容をメールに書くことができます。
②デメリットよりメリットを強調できているか?
稟議を承認した際に発生するメリットとデメリットを比較したうえで、メリットが大きいと伝えましょう。この際、主観的な判断ではなく、データを用いた客観的な情報を提示してあげるとより納得感が増します。
稟議を通したいがためにメリットばかりを強調しては、不信感をもたらし、かえって逆効果になりかねません。稟議を出す目的と関連したメリットを提示しましょう。
③リカバリー案も用意できているか?
物事には少なからずメリット、デメリットが存在します。例えば、なんらかのシステム導入の稟議を出す場合、システムの操作に慣れるまでの期間・工数が発生するデメリットがあります。
そのようなデメリットをどのように解消するのかといった疑問への答えも、あらかじめ用意しておきましょう。それらデメリットを把握したうえで稟議をかけていると伝えることで、より稟議承認の納得性が増します。
④数字やデータを用いて説明できているか?
稟議を承認するメリットは主観的なものになっていないでしょうか? 会社や組織の資金を使う場合、たとえそれが一円であっても費用対効果の説明が求められます。稟議承認によってどんな効果があるのかといったことをデータを用いて数量的に示すことで、稟議承認の判断がつきやすくなります。
⑤決裁者との共通認識を確認できているか?
稟議を手早く進めるには、決裁者や関係各所との共通認識の確認が必要です。稟議を出す前に稟議の内容について相談をしたり、そもそもその稟議が必要なのかといったことをあらかじめ相談しておきましょう。事前に話をしておくことで、その後の稟議承認がスムーズになる狙いがあります。
ワークフローシステムを使って稟議メールを効率化
ワークフローシステムを使って稟議メールを効率化
『承認TIME』はSBIビジネスソリューションズが提供する、クラウド型の稟議・回覧システムです。稟議、捺印申請をはじめ、企業で使うあらゆる社内文書を、Web上で申請・承認できるため、スピーディな意思決定と、ペーパーレス化に貢献します。
『承認TIME』ならややこしい稟議メールフローが簡単に
承認TIMEはクラウド型のサービスのため、インターネット環境があればスマートフォン・タブレットからでも閲覧・操作が可能です。
緊急時の追い越し承認や、AND承認(全員承認必要)、OR承認(誰か一人承認)といった承認ルートにも対応しているため、事前に承認ルートを自社に合わせて設定しておくことで、メールの宛先の間違いや、抜け漏れを防ぐことができます。また、緊急時には飛越し承認も設定できるため、柔軟な運用が可能です。
書式設定で自由にテンプレートを作成
ワークフローシステムを導入する場合、通常は業務の進め方をシステムに合わせて変更したり、操作方法を覚えたりといった工数が発生します。しかし承認TIMEは、文字入力やマウス操作だけで操作できるなど難しい知識が一切不要。現在利用している稟議書や申請書の内容・項目に基づいて、入力画面を設定できます。書式の数に制限はないため、社内のあらゆる申請書、回覧書の電子化できます。
また申請者は、決められた項目に沿って稟議内容を記入するだけで済むため、記入漏れや誤送信といった心配もいりません。
稟議メールの効率化にはワークフローシステムの導入を
稟議申請は事前に確認することが多く、慣れないうちは作成に手間取ることも多いでしょう。そのため、事前に稟議の目的を知り、何を書けば良いのかを把握し稟議メールの「型」を作ることで、その後の書類作成や運用がスムーズになります。
また、申請書類が多い場合などはワークフローシステムを導入し、全社的にフォーマットを揃えることで申請をする・される側の業務効率が上がります。この記事で稟議メールの書き方やチェックポイントを確認して、業務の改善に活かしてください。