稟議
稟議書の保存期間は何年?管理の方法や電子化のメリットも解説
「キャビネットに書類が山積みになっており、必要な文書を探すのに時間がかかりすぎる。」「文書を破棄したいが、何を基準に破棄するのかわからない。」そうした課題を抱えている企業の担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、稟議書の保存期間と保存の問題点、電子化のメリットを説明します。予期しないミスを防ぎ、自社の運用に反映させたい人はぜひご一読ください。
稟議書とは
稟議書とは、「会社のお金で物品を購入する」「取引先と契約を結ぶ」「サービスを導入する」といった際に上長へ承認を得るために必要な書類です。会社によっては「起案書」「立案書」などの呼び名が使われていることもあります。
稟議書を作成するメリットは上長は会議を開くことなく、承認の可否を判断できることです。あらかじめ決裁の内容と目的、費用対効果を書類にまとめておくことで、決裁にかかる時間を短縮できます。
一方で、稟議書の作成には内容ごとにフォーマットが異なっていたり、慣れないうちは作成に時間がかかったりと、運用上の課題はあるものの、上記のメリットから多くの企業で稟議書が作成されています。
稟議書の保存期間
会社で作成する書類には法律で保存期間が定められているものもあります。例えば、取締役会議事録は会社法371条で10年以上の保存が定められているほか、請求書や注文請書、契約書などの取引証憑書類も法人税法施行規則第59条、第67条で7年以上の保存が義務付けられています。
一方で、稟議書そのものは法律で明確に保存期間が定められていません。しかし、稟議書は決裁を求めるための書類という性質上、永年保存することが望ましいでしょう。
稟議書保存の問題点
稟議書は、年々増え続けるため、管理をするには多くの問題点があります。とりわけ注意したい課題は下記3点です。
- 保存の場所や管理コストがかかる
- 必要なときにすぐに見つけられない
- 紛失・漏えいのリスクがある
それぞれ説明します。
保存の場所の確保や管理コストが発生する
稟議書は紙に印刷して「文書」として保存します。そのほか、添付書類としてシステムの導入の稟議ならカタログや技術資料、費用対効果を示すための資料なども含まれる場合もあります。これらの添付書類も稟議書と一緒に保存しなければなりません。
そのため1回の稟議でも相応の保存場所が必要です。また、稟議書類を永年保存するとなれば、保存場所の管理コストも発生します。
必要なときにすぐに見つけられない
急遽昔の稟議書が必要になった、過去に似たような稟議を上げたことがあり、そのときの稟議書を探している、など過去の稟議書が必要になる場合があります。
しかし、「この稟議書を確認したい」と特定の書類を見つけるには「いつ稟議されたか」「どのような内容の稟議だったか」を把握し、整理していなければ、すぐには見つけられません。また、書類量が多く、オフィスとは別の倉庫で管理している場合などは探し出すのに時間がかかってしまいます。
正しく整理されていない、保存量が多いために、「探したのに見つからない」「必要なときに手元にない」可能性もあります。
紛失・漏えいのリスクがある
紙での保存は管理が難しいこともあり、不要な書類に紛れて処分してしまっても追跡が困難な場合があります。
大量に保存されているため、一部が紛失・漏えいしても、そもそも気付くこと自体が難しく、ある書類がなかったとしても紛失したのか、別の場所に紛れているのかの区別すらつかないでしょう。
稟議書を管理する方法とは?
このような問題点を改善するためには、「紙」で保存していた稟議書を「電子化」し、データで保存するのが有効です。
稟議書を電子化すれば管理のコストが減り、検索性も向上します。文書を紛失することもなくなり、改ざん・漏えいがあった場合にも問題箇所の把握が容易になります。
稟議書を電子化しデータで保存するメリット
稟議書を電子化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に説明します。
コスト削減につながる
稟議書を電子化し、データで保存するため、物理的な管理場所は不要です。
そのため、保存場所として倉庫などを借りている場合はその費用が必要なくなります。また、印刷に使う紙代や、インク代など、そのほか全般の管理にかかるコストがなくなります。
必要なときにすぐに見つけられる
データ化した稟議書はシステム内のデータベースに保存されるため、検索性が向上します。例えば、3年前に申請した稟議書を探す際も、提出した日付や部署、稟議内容で絞り込み検索を行えば、簡単に必要な書類を見つけられます。
タイムスタンプで承認フローが可視化される
稟議書の電子化システムにはデータ化した稟議書に、タイムスタンプ機能がついているタイプもあります。いつ、誰が決裁を行なったのかが履歴情報として保持されているため、内容の修正が行われた日付も後から確認が可能です。
もし、改ざんが行われた場合もタイムスタンプの履歴を遡れば、問題箇所の特定が容易になります。
そのほか、承認フローの中で、どこまで承認が進んでいるかもタイムスタンプの履歴を見ればわかるため、停滞している承認者に対して督促ができ、承認作業全体のスピードアップにつながります。
稟議書をデジタル管理する際の注意点
稟議書を電子化し、データで管理するメリットは大きいですが、一方で注意点もあります。
「稟議書の電子化」の簡単な方法は、稟議書をWordやExcelで作成後PDF化して編集できない状態にし、メール添付で承認者に申請する方法です。保存も社内の共通フォルダで管理すれば保存の問題も解決するように思われますが、差し戻しがあった場合の修正対応の手間が大きく、メール誤送信のリスクも抱えています。また、社員間のメールのやり取りは承認フローの進み具合を管理部が確認できず、申請から決裁までの時間の短縮にはつながりません。
そのため、稟議書を紙で保存する問題点の改善策としてデータ化する場合には、単なる「電子化」ではなく、「ワークフローシステムの導入」が効果的です。
ワークフローシステムとは、Webで稟議書の申請から承認・決裁業務を行えるシステムです。稟議書類の電子化だけでなく、稟議フローそのものをデジタルに置き換えます。
システムによって標準でタイムスタンプ機能や、承認者設定機能などが搭載されているため、既存の稟議フローに沿って進められます。
稟議書の申請・承認を電子化できる「承認TIME」
『承認TIME』は稟議・捺印申請をはじめとした企業で使うあらゆる社内文書をWebで申請・承認できるクラウド型のワークフローシステムです。クラウド型のため、自社でサーバを設置する必要がなく比較的導入コストを抑えられ、短期間で導入できることがメリットです。
また、サーバのバージョンアップや保守メンテナンスが必要ないため、業務の負担を軽減します。
24時間365日体制での厳重なセキュリティ、高度な耐震・免震設備・大規模停電にも安全な自家発電システムにて稼働しており、セキュリティ環境も安心です。
稟議・申請・報告書の提出をデジタル化
『承認TIME』はパソコン・スマートフォン・タブレットに対応しており、社内でも外出先からでも稟議・申請・報告書の提出・承認が可能です。
自宅から稟議書の申請・承認ができるため、リモートワークで出社できない状況でも、出社時と同じスピードで仕事が行えます。
1ヶ月のトライアルが可能
『承認TIME』は契約前に1ヶ月間のトライアルが利用可能です。実際の運用を想定し、作業環境を後置するため、導入後の運用をイメージしながら、使いやすさや課題解決に結びつくかを確認できます。
導入後に期待していた活用ができない状況を未然に防ぎます。
まとめ
稟議書の保存期間は法律で定められているわけではありません。
しかし、どのような経緯で承認したかの証跡となる文書の性格上、永久保存が必要と考えられる書類に当たり、実際に永久保存している会社もあります。
とはいえ、稟議書の保存には保管コストがかかり、必要な書類を探す際にも多大な時間がかかります。
そこで、このような管理を楽にするにはクラウドで管理できる『承認TIME』などのワークフローシステムがおすすめです。『承認TIME』は1ヶ月間の無料トライアルを提供しているため、まずは試しに使ってみてはいかがでしょうか。