稟議
電子承認で業務効率を改善するには?導入のメリット・課題を解説
多くの企業で業務効率化や生産性の向上が求められている中、その第一歩として電子承認が注目されています。しかし、従来の書面による承認作業と電子承認は具体的に何が異なるのか、理解があやふやな方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電子承認の概要について紹介するとともに、業務効率化や生産性向上に役立てるためのポイントなども含めて解説します。社内の申請作業を効率化したいと考えている担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
電子承認とは?
電子承認は、従来書面によって行われていた署名や捺印による承認作業を電子化する仕組みや方法のことです。
ひと口に電子承認といってもさまざまな方法があり、法的な有効性も異なります。そこで、電子承認の種類ごとの違いを紹介するとともに、有効性の違いについても詳しく解説します。
電子承認が導入された背景
政府の進める働き方改革や2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、急激に普及したテレワーク。通勤の時間を自分や家族の時間に充てられたり、満員電車のストレスがなくなったりと、導入する企業が増えています。
しかし、その一方で社内業務は従来と同じやり方のため、書類へ捺印をもらうために出社するケースも少なくありません。
そうした中、電子承認はいつでも申請・承認ができることや、承認までの時間を大幅に短縮できることから、変化のスピードが加速しているビジネス業界において注目が集まっているのです。
電子印鑑・電子署名・電子サインとの違い
電子承認は複数の承認方法を総称したものであり、具体的には「電子印鑑」「電子署名」「電子サイン」の3つに分類できます。それぞれ似たような言葉で混同されやすいため、注意が必要です。
- 電子印鑑:デジタル化した印影を文書の中に貼り付ける方法
- 電子署名:公開鍵暗号方式で文書を暗号化し、電子証明書によって安全性を担保する方法
- 電子サイン:タブレット端末などにサインを手書きする方法
電子承認の有効性
上記で紹介した電子印鑑・電子署名・電子サインは、いずれも従来の捺印やサインといった承認の代替方法であり、本人確認の有効性が証明できます。
- 電子印鑑:デジタル印影は複製や改ざんが可能。認め印のようなもの
- 電子署名:第三者による復号が難しい公開鍵暗号方式と、認証局でしか発行されない電子証明書が用いられるため極めて安全性が高い。実印に近い有効性がある
- 電子サイン:電子署名に比べると有効性が弱い。手書きによるサインと同等
しかし、法的な面で考えると信頼性は異なるため、それぞれ場合に応じて使い分けが必要です。
電子承認はどんな場面で使える?
電子承認にはさまざまな方法があることが分かりましたが、具体的にどのような場面で利用でき、どのような課題が解決できるのか詳しく解説します。
これまでの申請・承認における課題
はじめに、従来の書面による申請および承認ではどのような課題があったのか、申請者と承認者それぞれの視点から考えてみましょう。
申請者側の課題
これまで申請者側は、申請書類を印刷し承認者へ手渡しまたは郵送などによって提出しなければならず、事務作業に多くの時間を要していました。また、書類の作成から提出までをスピーディーに行ったとしても、承認者の不在時などタイミングが悪ければ承認が遅れてしまう可能性もあります。
承認者側の課題
承認者側の課題は、申請書類を受け取らない限りは内容を確認できず、承認作業のためにオフィスへ出社しなければならないことが挙げられます。特に出張や外回りの多い承認者の場合は、申請が上がるたびにオフィスへ出向く必要があり、時間のロスにもつながるでしょう。
電子承認で可能になること
電子承認を導入することによって、上記で挙げた申請者側の課題と承認者側の課題の双方を一挙に解決できます。
申請から承認までの時間を短縮できる
電子承認は物理的に書類を受け取らなくても、メールに添付された文書データやシステムに表示された申請内容を即座に確認できます。申請者は書類を手渡しまたは郵送によって送る手間がなくなり、承認者は書類を返送する必要もないため、承認までの時間を大幅に短縮できるでしょう。
時間や場所にとらわれずに申請・承認ができる
物理的に書類を受け取る必要がないということは、時間や場所にとらわれることなく申請・承認ができることを意味します。例えば、営業先で商談をしながら作成した見積もりをその場で申請し、申請を受け取った上司はオフィスで即座に確認し承認することもできるでしょう。また、テレワークを導入したにもかかわらず、申請や承認のために出社しなければならないといったことも防げます。
紙や収納にかけていたコストを削減できる
従来の書面による運用では、申請のたびに印刷する紙やトナーなどのコストがかかるほか、書類を保管するためのスペースも確保しなければなりません。また、一定期間にわたって書類を保管した後は破棄するなど、管理のための人件費もかかります。電子承認を導入することで、これらのコスト削減につながります。
内部統制の強化につながる
重要な申請書類を紛失してしまったり、不正に改ざんされてしまったりするケースも想定されます。しかし、電子承認では物理的に書類を紛失するリスクは極めて低いほか、行動ログが残るため、不正にデータが改ざんされる危険性も低くなります。これにより、企業や組織としての内部統制強化にもつながるでしょう。
電子承認システムとは
自社の業務を電子承認に対応させるためには、電子承認システムとよばれるソリューションを導入するケースが一般的です。電子承認システムとはどのようなものなのか、詳しく解説しましょう。
申請・承認といったワークフローを電子化するシステム
電子承認システムは、申請・承認などの業務における一連の流れを電子化するシステムです。例えば、稟議決裁の場合、起案者が申請し複数の承認者を経て決裁者が決裁を行います。複数人がかかわる一連の業務においては、企業や組織ごとに一定のルールや慣習が存在するものです。これらをWeb上で再現し、従来と同じように業務を進められるシステムのことを電子承認システムとよびます。
電子承認システム導入までのプロセス
電子承認システムを導入する場合、どのような準備やプロセスを経る必要があるのでしょうか。今回は3つのフェーズに分けて詳しく解説します。
どの書類、業務を電子化するかを検討する
はじめに、電子承認システムへ移行し電子化する書類や業務をピックアップします。申請および承認の頻度が高い業務ほど、電子承認システムへの移行によって業務効率化が見込めます。
担当者を決め、導入プロジェクトを発足させる
電子承認システムへ移行すべき業務が決まったら、社内で導入プロジェクトを発足させ、担当者を割り振ります。電子承認システムの選定にあたっては、現場が求める要件に沿った仕様を定義し、それにマッチしたシステムを選ばなければなりません。
そのため、担当者を割り振る際には、実務を把握している人材だけではなく、技術的な仕様を判断できる人材も不可欠といえるでしょう。
導入後も定期的にシステム利用率をモニタリングする
電子承認システムは導入したからといって完了ではなく、実際に多くの社員に利用されているかをモニタリングし効果測定を行うことも重要です。システムの利用率が低い場合には、社員にとって使いづらかったり、そもそも使い方が把握できていなかったりする可能性もあります。
システム活用のフォローやサポートも含めて、利用率を上げるためには何が必要かを検討していきましょう。
書類の申請・承認を電子化する電子承認システム『承認TIME』
電子承認に対応した電子承認システムはさまざまなものがありますが、中でも多くの企業に選ばれ高い信頼性を誇るのが『承認TIME』です。システム選定にあたってどのようなメリットがあるのか、今回は3つのポイントを中心に紹介します。
申請・承認の電子化で情報共有を迅速化
『承認TIME』は電子署名や電子印鑑などの電子承認に対応しており、社内の申請・承認プロセスを安全に管理できます。
申請・承認を電子化することはもちろんですが、承認後の書類保管や管理もクラウドで一元化でき、重要書類の紛失や盗難などの心配もありません。
申請状況を可視化し、申請から承認までをスピードアップ
電子承認は従来の書面による申請・承認プロセスに比べて迅速化できますが、人為的なミスや承認作業の失念などによって滞る場合も考えられます。しかし、『承認TIME』であれば、承認者や決裁者の中でどこが滞っているのかを可視化できます。これにより、個別に確認したり催促したりすることも容易で、迅速な承認フローが実現できるでしょう。
最大70ヶ国語に翻訳可能な多言語対応電子承認システム
グローバル化が進むビジネス業界では、日本のみならず世界各国に拠点を構える企業も増えています。また、日本以外のさまざまな国の社員とコミュニケーションを図るケースもあるでしょう。『承認TIME』では、多言語対応のオプション機能「Wovn.io」と連携することにより、申請書類を最大70ヶ国語に翻訳することができます。
まとめ
電子承認はこれまで紙で行っていた承認業務を置き換えるだけでなく、意思決定の迅速化や、ペーパーレス、テレワークの推進など、新しい働き方への移行の足がかりになります。
しかし、電子承認に対応したシステムは各社さまざまな製品をリリースしており、自社にマッチした製品を選ぶことは簡単ではありません。
『承認TIME』は自由な書式設定に対応し、幅広い業種・職種に対応できる電子承認システムです。さらに、1IDあたり税抜300円〜という低コストも実現。なるべくコストを抑えつつも、申請・承認業務の効率を改善したい企業には最適な製品といえるでしょう。